睡魔 Episode2 覚醒

「ハァ～アァ～、イヤァッ～！！」

艶めかしい悲鳴を上げて一気に跳ね起きる。
全身が汗でグッショリと濡れ、息も少し荒かった。
その原因は、彼女が毎晩見てしまう恐ろしい悪夢のせいだった。

それは黒い霧をまとった不気味な男が登場し、自分が何度も犯されるものだった。
おぞましいのは、夢の中の自分がその行為を少しも嫌がってはいないという事だ。
それどころか、口に出せないような卑猥な行為ですら自ら進んで求めていた。

それを見た後は決まって体が激しくうずき、湧き上がるような性衝動に勝てなくなるのだ。
一度そうなればどうしようもなく、果てるまで自分で慰めるしかなかった。

自慰行為を繰り返してしまうなんて、普段の自分からはありえない事だ。
どうしてこんな状況になってしまったのか…きっかけは何なのかを必死に考える…。

幼い頃から飛びぬけて美しい容姿とプロポーションを誇っていた。
中学に入る頃には、既に女としての妖艶さが加わり始めた。
そんな美少女を目にし、周囲の男達が黙って見過ごすわけは無かった。
高校に入る頃にはそれが顕著になり、見知らぬ男性にさえ言い寄られる程になっていた。

不幸だったのは非常に内向的な性格だったこと。
突然男性に言い寄られ、どう接して良いかわからずに思い悩む日々。
困り果てて両親に相談しても＜ふしだらな娘＞と一喝され取り合ってもらえなかった。

そんな環境に耐えきれなくなり、高校を卒業してすぐに家を飛び出した。
新しい場所で暮らし始めればやり直せるような気がしたからだ。
そして同時に、自分の内気な性格を変えたいと強く思うようにもなっていた。

ちょうど同じころ、偶然知り合ったのが催眠療法の権威＜篠崎教授＞だった。
彼は出会った当初から自分の生い立ちに強い共感を示してくれた。
この苦しみを理解してくれる人に初めて巡り合えた気がして心底うれしかった。
程なくして、頻繁に教授の経営する病院に通うようになった。

今となっては両親にも頼れない、そんな自分にとって教授の存在は親以上になっていた。
そんな訳で、彼が考案する奇妙な治療方の数々も疑いなく試している最中だ…。

「ハヒィ～ハヒィ～、ンアァ～！？」

突然激しく疼き、たまらず艶めかしい声をあげてしまう！
彼女の思考は中断され、一瞬にして現実に引き戻された。
自身の変化の真相を探る行為が一瞬でかき消される。

子宮が痛いほど収縮を繰り返し、下着が見る見る濡れていくのを感じる。
すでに全身はピンク色に染まっており、何度も絶頂を繰り返した後のようだった。

限界まで勃起したピンク色の乳首が脈動するように小さく震えている。
興奮でむき上がったクリトリスが下着で擦られる度、痺れるよう感覚が体を支配する。
これ以上は耐えられない、震える手が苦しみから逃れようと股間に伸びた！

「違うの…イヤァ～ラメェ～！！」

ここ数日、幾度となく繰り返されている秘密の行為が再び始まろうとしていた…。